カレー屋モーダルの,就職しないで生きるには

地方の大学生が,カレー屋で食っていくためにあれこれ考えるよ

飲食店は9割が潰れるのに,お店をはじめたい

 

モーダルです。

 

最初に結論から。

 

情報に踊らされてはいけない。

でも人の意見は聞け。

 

僕がやろうとしているカレー屋は,飲食店の一種です。

 

あなたは,飲食店が潰れる割合を知っていますか。

一般に,3年で9割です。10個あったら9個無くなる。

色々な割合が示唆されていますが,どれも言ってることは皆同じで,数年以内に潰れる飲食店の割合はものすごく高いということ。

 脱サラ・未経験者による飲食店が3年以内につぶれる割合は、なんと90%とも言われているんです

https://www.yayoi-kk.co.jp/content/open/restaurant/01_01.html

 

これを聞いて,あなたはどう思いますか?

「そんなに潰れるの!?」と思う人もいれば,「当然だよな」という人もいると思います。

 

もし初めてこれを聞いて,飲食店をやろうとしている人だったら多少尻込みしてしまう人もいるのではないでしょうか。「開くのは簡単だけど,ほぼ潰れちゃうのか...アブナイ橋を渡ってるんじゃなかろうか...」。

 

 

それ以外にも飲食店をやることに対しては,本当にネガティブな意見が多い。

経営の難しさ然り,収入然り,理想と現実のギャップ然り,労働時間然り...

 

そしてそれもまた事実であり,真実である点も否めない。

 

でも!

これらをネットなんかで見て,あるいは人づてに聞いて,「飲食店やめよう」と思ったら,それはきっと勉強不足か,自分のコンセプトが定まっていないか,あるいは本当にやめたほうがいい土俵か,だと思っています。

 

僕の意見は若さゆえです。生意気だと思います。許してください。でも,誤解を恐れながらも,自分の意見を言います。

 

飲食店がなぜ潰れるか。当然ですが,はっきり言ってそれは「お金」です。お金がないから潰れるのです。あるいはお金が見込めないから潰れる。

 

飲食店を開業するうえで一番の負担は,開業資金。一般に1000万円ほどを準備する必要があるといいます。

1000万円なんて,まず用意できない。ほとんどの人は銀行から借ります。すると借金ができる。これをお店を経営しながら返していかなければいけない。

 

いざお店を始めたはいいけど,最初は軌道に乗らない。お店の家賃や光熱費もかかれば借金もある。お金に行き詰った先は閉店です。返済期間を経て返せなかったら閉店です。ゲームオーバー。

 

 

これを解消する方法はいくつかあります。個人店でできるレベルのもの,もっとチェーン的に戦略的に行うもの,様々です。

 

 

例えば,お店を潰すことを前提にお店を始める。これは個人レベルではなかなかできませんが,一つの方法です。数年スパンで考えて,差し引きの純利益が出るよう予想して計画を組み立てていく。

 

開業資金を減らす。これは現実的です。例えば間借り営業や移動販売なら,さほど開業資金はかかりません。

www.sunanomisaki.com

例えば世田谷の砂の岬さん。彼らはスバルの古いサンバーでの移動販売からスタートしています。

 

また,大阪では「宿借り系カレー」という,空前絶後の,超絶怒涛の間借り営業カレーブームです。

 

 

開業資金をクラウドファンディングで補おう!これは少し難しいように思います。クラウドファンディングというのは,基本的に資金を供出する人が,対象のテーマに共鳴することが必要です。例えば,「途上国に学校を建てたい!」というテーマであれば,なぜ学校が必要なのか,学校を建てることによりどのようなことが期待できるか(未就学児が減るなど),そしてそこに出資者がインセンティブを感じられないと共鳴しません。

また,クラウドファンディングには「お礼品」というものが存在します。例えば「1万円出資してくれたあなたには,学校で作った素敵な人形を差し上げます」とか。

これをカレー屋に置き換えたとき,世界中から,とあるカレー屋の開業を支援したいという支援はまずないです。絶対にない。クラウドファンディングで成功している案件というのは,ほとんどが「社会的に意義がある,または出資してくれた人が何かしら得をする」ことのように思います。例えば,ココイチが新メニューを開発したい!となれば,そのメニューが食べたいココイチファンは投資をする。そういうことです。

 

話がクラウドファンディングに逸れてしまいましたが,要はクラウドファンディングには頼るな,ということです。

 

また,僕の住んでいる地域には,ありがたいことに補助金があります。これは田舎ならではの特権でしょう。東京の人には考えられないかもしれませんが,空き店舗に新しくお店を出せば,その家賃などを大幅に自治体が負担してくれるという制度があります。

 

あと開業資金を減らす方法としては,DIYでお店をつくるとか,厨房機器は中古で賄うとか,考えればいろいろ出てくると思いますが,ハードルを下げる主な手段はそんなところでしょうか。僕もこのような発想ができない世の中だったら,飲食店やろうとは思わなかったと思います。

 

そして,ハードルが低いまちを「選ぶ」こと。当然ですがこれが重要です。そしてこれはある意味「運」です。傲慢ですが,僕はこの運に助けられているところがあります。

 

大事なのは,これらはハードルを下げる手段でしかないという,いわばお店をやるうえでの最初期の段階であるということです。お店をやるうえで重要なのはお店を始めることではありませんから。

 

そして,9割が潰れる飲食店。9割がどのようにして潰れるに至ったかを考えてみましょう。

逆に1割はなぜ残ったか。残っている理由は何なのか。

田舎の喫茶店はなぜ潰れないか。

 

このあたりは面白いトピックだと思います。また考えていきたいと思います。

 

9割に踊らされてはいけません。ただのデータです。でも確かなデータです。

9割を真面目に考えましょう。9割の背景は何なのか。なぜそうなるのか。

そして自分が9割に含まれてしまったとき,それでもリスタートできる,あるいは少しでもポジティブな方向に進めるように,そんなことを考えています。

 

飲食店開業にネガティブな意見,それは確かなる一つの意見です。ちゃんと聞く。そして自分を見つめなおし,真面目に考える。

自分を多方面から客観的に見つめるプロセスが必要なのです。